Windows移行を決断したカーナビ開発の現場から

Windows移行を決断したカーナビ開発の現場から

パイオニア製品の主力はWindows Automotiveベース

 パイオニアは、2004年からHDDカーナビのプラットフォームにマイクロソフトの車載情報端末向けOS「Windows Automotive」(「Windows CE」の応用製品)を採用し始め、現在では市販HDDカーナビ全機種がWindows Automotiveベースである。

μITRONからWindows Automotiveへ

 とはいえ、プラットフォーム刷新は開発現場にとって一大事である。カーナビ分野に限った話ではないが、ここで逡巡したままの機器メーカーは多い。これに対して、長岐氏は次のように話す。「確かに、当時『Windowsがベストの選択』という確信があったわけではない。ただ、HDDカーナビを開発してみて、『これからも機能に比例して開発量がどんどん増えていくのか……』という閉塞感が現場に漂っていた。新しい開発環境を取り入れ、閉塞感を取り除く必要があった。やると決めた以上、やるしかなかった

環境を全面刷新しながら開発成功

開発手法がVisual C++によるオブジェクト指向開発になった。
 そして最も厄介だったのは、数々の斬新な新機能を盛り込もうとしていたことだ。3D地図「ソリッドシティマップ」は、建物の外観・形状をリアルタイムに再現する。
 また、ブロードバンド接続に対応した付属ユニット「リビングキット」へ本体から取り外したブレインユニットを装着し、家庭でもデータの出し入れ、編集が行えるようにした。過去の渋滞情報をデータベース化し、渋滞を予測する機能も搭載された。慣れない開発環境を学びながら、これらの新機能を開発するのは至難の業だった。
 もちろん、Windows Automotiveを採用した効果もあった。例えば、2004年春モデルのサイバーナビでは、新たにNTTドコモ・FOMA端末でのハンズフリー通話、データ通信に対応。携帯電話とカーナビ本体とはUSBで接続する。「USBインターフェイスを一から開発する必要がなく、開発工数を削減できた」(長岐氏)。また、Windows AutomotiveでMMU対応となり、メモリ破壊のポイントを特定できるようになったので、品質を作り込みやすくなったという。

パイオニアの目はWindows Automotive 4.2の先へ

 常識的に考えて、パイオニアが現在採用しているWindows Automotive 4.2の延長線上で新プラットフォームを構想しているのは間違いないだろう。2007年にも登場するといわれるWindows Automotive 6.0(Windows CE 6ベース)は、各プロセスに最大2Gbytesの仮想メモリを割り当てることが可能で、同時実行が可能なプロセス数も3万2000に達する。

 確かに、プラットフォームが潤沢になればなるほど、機能要求は高まり、開発現場は休まるときがないのも事実である。ただ、早い段階でPCと親和性が高いWindows Automotiveへプラットフォームを切り替えて開発環境を整えてきたことで、新技術導入の道筋は整いつつあるようだ。リーディングカンパニーであるパイオニアが近い将来、次なるプラットフォームを使ってどのような夢のあるカーナビを生み出すのか、興味深いところである。




何処も苦労しているのですね。




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by tamarin21jp | 2006-09-14 20:19 |
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